④知的探究⑥2020~2021Webコンテンツ

新しいゲーム『ネオジャンケン』を創造しよう 提供:聖徳学園中学校

今回は新しいジャンケン,「ネオジャンケン」を考えて作ってみましょう。「ネオ」というのはギリシア語で「新しい」という意味ですね。

 

 

 

ジャンケンは皆さん知っていますね?
誰でもやったことがあるのではないでしょうか。日本だけでなく世界中に同じようなゲームが存在します。そんなのを調べてみるのも楽しそうですね。

 

一応,ルールを確認しておきましょう。
「グー」「チョキ」「パー」という「手」があります。

 

ルールは簡単です。
「グー」は「チョキ」に勝ち,「パー」は「グー」に勝ち,
「チョキ」は「パー」に勝ちます。
二人であれば同じ「手」が出れば「あいこ」でもう一度ですね。
三人以上であれば3つの「手」が出てしまうと「あいこ」で勝敗がつかないのでもう一度です。こうしてみると,簡単そうなルールですが,意外と説明するのは難しいですね

さて,今回のチャレンジは,ジャンケンの「手」に新しく「キュー」という「手」を加えます。
「キュー」をどんな手の形で表すのか考えてみましょう。そして「キュー」を加えてやるためのルールを考えてみましょう。
考えたら実際に試してみて,うまくいかないところがあったら直します。一回で完成することはないと思うので,何度かやり直してみましょう。

 

 

 

例えば,こんなルールを考えた生徒がいました。3人以上でやるゲームにします。
「キュー」はどの手にも勝てない弱い手なのですが,誰か一人だけが「キュー」を出した場合は他の人が何を出していたかに関係なく,その一人だけが勝ちになるというルールです。2人では出来ないのが残念ですが,面白そうなルールです。このルールでどんな場合も大丈夫でしょうか?

 

こんなルールもありました。これも3人以上でやるゲームです。
「キュー」を誰かが出したらまず勝敗が逆になります。例えば,「グー」が「パー」に勝てるのです。
では「キュー」はどうなるのか?
「キュー」を出した人の数が奇数なら「キュー」は負け。
「キュー」を出した人の数が偶数なら「キュー」も勝ち。
さて,このルールでゲームは成立しますかね?

 

実際の授業ではグループで取り組んでもらっています。グループで話し合ってルールを考えます。実際にグループでやってみてルールの修正を行います。
ルールをKeynoteというプレゼンテーションアプリでまとめます。
実際にゲームをやっているところを動画で撮影してプレゼンテーションに加えます。
最後にグループ毎にどんなゲームにしたのかを発表してもらいます。

 

自由研究としてやってみるとして,進め方の例をご紹介しておきます。
まずは「キュー」の手の形を考えてみましょう。
生徒によっては手ではなくて体全体のポーズで表現するというアイディアもありました。そしてルールを考えてみます。
考えたルールをその場で実際に試してみます。やってみると実はうまくいかないことがあります。
勝敗がつかなかったり,思いもしなかった場合ができきたりします。
それをどうするのか,ルールの問題点を考えて修正します。
 
 
 
では実際にやってみましょう!
 
 
 
自由研究としての取り組む際のアドバイスです。ルールを考えているところも含めて記録を残しておきましょう。「キュー」の手の形を撮影しておいたり,実際にゲームをやってみたところを撮影しておくといいですね。
ゲームが完成したら,どんな工夫をしたのか,どういうところが難しかったのか,実際にゲームをやってみた感想は?
そんなことについて文章として紙に書いておいてもいいですし,その場でインタビュー形式で動画を残してもいいですね。
 
保護者の方へのメッセージです。
このプロジェクトをやる際に生徒には「まずはじゃぶじゃぶアイディアを出そう」「どんどんやってみよう」ということを伝えています。
意外とルール作りは難しいので,あれこれ考えていると時間ばかりかかります。
実際にやってみると問題がはっきりします。
まずはたくさんアイディアを出せるように保護者の方にはサポートいただけるといいと思います。ヒントを出してあげてもいいですが,お子様が出したアイディアについて「面白い!」「いいね!」「やってみようか?」という前向きな声がけをしていただけるだけでも充分です。
授業でも「そりゃ面白い!」と声がけするように心がけています。
ルールを作る中で行き詰まるタイミングもあるかと思います。一緒に悩んで考えてあげてください。その日だけでは完成しないこともあります。ずっとモヤモヤするのはストレスかもしれません。でもお子様がこれからの社会で取り組むのは「一つだけの正解がない問い」だと言われています。モヤモヤ考え続けることが求められます。
 
実はこのプロジェクトはある大学の入試問題をベースにし
ています。入試では一人で考え,小論文の形で説明するようになって
います。これをグループで取り組むプレゼンテーションの形にして
います。大学入試改革がなかなか進まないイメージがありますが,着実に進化しつつあることも事実です。
 
聖徳学園のSTEAMの授業ではこのような,(1つだけの)正解がないような問いにチャレンジしてもらう機会が多くあります。
このような経験を通して,積極的に課題や問題にチャレンジできる生徒を育てています。
 
レシピ提供:聖徳学園中学校
 

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