コロナウイルスの影響で「夏休み自由研究フェスタ」が開催できなくなってしまいました。本当は会場でみんなと一緒に取り組みたかったのに残念です。家の中の道具を使って絶妙バランスをつくる方法を考えましたので、ぜひ、おうちで取り組んでみてくださいね。
【準備するもの(写真1)】
・台所にある様々なものを4点
今回は「スプーン、フォーク、おたま、鍋」を使用していますが、色々なものに挑戦してください。ただし、包丁などの刃物や割れやすいもの(ガラス・陶器・磁器)は避けてください。
・つりあいを支える台つきのもの(支柱)
今回は理科室にある「ろうと台」を使いましたが、ご自宅にあるもの、100円ショップにあるものなどで代用してみてください。

写真1 準備するもの
【やってみよう】
まず、準備したもののうち、小さいものから順に、つりあいをとる練習をしましょう。そして、どこでつりあいがとれたか、その位置を覚えておきましょう。(写真2参照)

写真2 それぞれのつりあい
2番目に小さい物(ここではフォーク)でつりあいをとり、その上に1番小さいもの(軽量スプーン)を柄にのせてみましょう。このとき写真のように、フォークの支点がすこしずれます(写真3)。

写真3 つりあいと支点の変化
つぎに上の2つを、3番目に小さいもの(ここではおたま)にのせてみましょう。(写真4)

写真4 3つのつりあい
最後に一番大きいものを支柱でつりあいをとり(お鍋)、そこに上の3つを乗せてみましょう!(写真5)

写真5 完成!
【成功するためのコツ】
・すべりやすいものは難しいです。すべりにくい素材を選びましょう。先生たちも家庭科室の様々なものを試しました。繰り返し試す!これが理科では重要です。
・のせやすい形状を選ぶ。平坦のものが成功しやすかったです。
【やじろべえの重心】
やじろべえが、倒れないで、傾いていても元に戻ろうとするのはなぜでしょうか。これは、やじろべえの重心と支点の位置関係で説明できます。
では、重心って何でしょう。重心とは、その物体の重さが、1点に集中したときの点です。ですから、その物体の重心は、それをぶら下げたとき、ぶら下げている点の真下のどこかにあることになります。写真6の左とまん中を見てください。このように、2か所でぶら下げることによって、その物体の重心を知ることができます。ものによっては、その物体の外(空間中)に重心があることもあります。まさに、やじろべえがそうなんですが。
さて、やじろべえが倒れないような位置関係ですが、それは、支点の下に重心があることです。やじろべえの重心(写真右の矢印の部分)がもとの位置よりも上にずれたとすると、重心は、重力によって下に移動しようとします。その結果、やじろべえは倒れることなく、もとの位置に戻ろうとするわけです。わかりましたか。

写真6 重心について
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